steelydan_josie

こんなニュースを見かけました。
120年越しの夢が実現! 自宅で気軽に「アナログレコードに録音できるマシン」がついに誕生
20191024_kubo08
要約すると、自宅でもダレでもカンタンに自作のアナログレコードが作るコトが出来るという小型のアナログレコード製造機が開発されたというハナシです。
で、すでに試作機も出来ていて2020年12月には出荷が始まるというコトのようです。
ちなみに販売価格は約18万円。
しかもこのプロジェクトは、アメリカの大手クラウドファンディングサイトで出資を募ったところ4200万円以上が集まったとも書いています。

先日も、米国では33年ぶりにアナログレコードの売上がCDを上回ったってニュースが伝えられたので、まだまだアナログレコードって人々の注目を集めているんでしょうかね。
「全米レコード協会 アナログレコードが33年ぶりにCDを上回る売り上げを記録するだろうと報告」

で、今回のダレでもカンタンにレコードを作れる「アナログレコード製造マシン」を見て・・・率直な感想として
「ホントにそのレコードって聴けるレベルのモノなのか・・・?」って思ったんですよね。
上記のニュースを伝える記事には製造者がアップしたであろう動画が、埋め込まれているのですが、シンプルに人間の声をリアルタイムにヴァイナルに刻んでレコーディングして再生したシンプルなモノだったので、ナンとも評価がつけがたいのですが、やっぱりこのアナログレコード製造マシンの利用目的って、ナンらかの楽曲をレコードにしてプレイするっていうコトだと思うのです。
だけど、記事の動画を見た限りじゃ、ちょっとマジで使えるレベルなのかな・・・って思いました。
このアナログレコード製造マシンのメーカーは、別のプロモーション用動画をYouTubeにアップしていました。
ソレがコレです。

ま〜フツーにプロモーション用の解説動画なのでスペックなど詳しい内容は語られていませんね。
今回のアナログレコード製造マシンのコトを知って真っ先に思い浮かんだのは、Vestax VRX-2000というカッティングマシンのコトです。
VRX_2000
今はなきDJミキサーのメーカー、Vestax社が20年前の1999年にDJブームの真っ只中にレコードを作れるマシンを販売していました。

Vestax VRX-2000の販売価格は、20年前で120万円です。
上記の動画を見る限りでは、ダイレクトに再生した音源をレコード盤にリアルタイムので音溝を刻んでいくというコトは相当ハイレベルの技術が必要なのが伝わってきます。
このVestax VRX-2000が、発売されたときも相当話題になりました。
やっぱりその当時は今以上のDJ人気発のアナログレコード人気の真っ只中でしたしね。
で、2000年頃に渋谷にあったPACOというDJショップに実機が置いてあるというコトでオイラも見に行ったりしました。
実際にVRX-2000を見て「へ〜コレでレコードが作れるのか・・・」って関心ものです。
ま〜だけど120万円という価格は、やっぱり一般ユーザー向けのプロダクトではなく、スタジオ向けのPRO機材という位置付の商品でした。
当然なんですが、素人がこのVRX-2000の入力ジャックにプスッとプラグを挿して音源を流せばサクッとレコードを作れるなんて代物ではなく、基本的なコトをオペレーション出来るエンジニアが必要な機材でもありました。
ソレくらいフツーに音楽が聴けるレベルのアナログレコードを作るというコトは高い技術力が必要だというのが解ります。

で一方、今回の「カンタンアナログレコード製造マシン」は、どうなんでしょう・・・。
動画を見ただけでは、音楽を録音して再生して実際に試聴に耐えれるレベルなのかな〜って思うんですよね。
20年前のVestax VRX-2000で作られたレコードでも音質面では、フツーのレコードよりかなり劣ると言われていましたし。
音をレコード盤に刻むとうコト自体は、エジソンの時代からの技術で、その発展形として、今でもレコードの製造に使われている1970年代に製造されたドイツのノイマン社製のカッティングマシンが現役で稼働しているトコロからすれば、アナログレコードのカッティングに関しては技術革新は当時から変わっていないハズです。
カンタンアナログレコード製造マシンの録音テストの動画では声を録音していましたが、コレやっぱり音楽再生までは出来ないのかもしれませんね、それにタブン、モノラルでしょうね。

STEELY DAN / JOSIE
STEELY DAN / JOSIEの試聴
next recordsのサイトでSTEELY DANのレコードを探してみる

プロモーション動画を見る限り、イメージとしては夢をカンジさせる動画になっていて、レコードのカッティング技術のコトを知らない人からすれば
「スゲ〜っ!コレは夢があるっ!出資しよっ!」って思っちゃうのかもしれませんね。
Vestax VRX-2000と違ってコチラの製品は、価格やお手軽さからすると完全に一般リスナー向けの製品ですよね。
今現在、実際に録音された「音楽」は、どういった風に再生されるのか・・・っていうコトは解りませんが、果たして本当にレコードが好きな一般リスナーが満足出来る音質のレコードが作れるコトが出来るのか・・・。
個人的には、ちょっと難しいんじゃないかなぁ〜って現時点では思います。


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